南アルプス市消防本部主催のJPTECファーストレスポンダーコース(病院前外傷患者対応研修会)と言うのに行ってきました。なんの講習会かと言うと、「医療資格を持たない人が、傷病者に接触してから救急隊に引き継ぐまで」の対応です。
受講者の半分以上が、山岳連盟・ガイドクラブ・山小屋関係者だったので、まっ知った顔ばかりでした。
この手の講習は、当然ガイド協会でも行っています、と言うよりもガイドになる為の筆記試験にも出てきます。しかし繰り返しやらないと、咄嗟にできなかったり、焦って忘れてしまう事がもあります。また、心肺蘇生法を最初に習った時は、人工呼吸2回と胸骨圧迫30回を繰り返す方法を推奨していましたが、現在のガイドラインでは胸骨圧迫を最優先とするよう変更、人工呼吸は必須ではなくなっています。このように日進月歩で知識と技術は進歩して
いますので、機会があるたびに講習は受けたいと思っています。
今回のファーストレスポンダーコースとガイド協会のファーストエイドの手順ですが、表現は違う所も有りますが、基本的には一緒です。(ガイド協会もJPTECを参考にしていますので)
流れは<状況評価><傷病者評価><必要な処置>の順です。
上が今回のテキストで、下がガイド協会のテキストです。
面白かったのは、事例として出てきたのが横転した自動車やバイク・自転車の写真が出てきた事でした。
周囲の状況・安全確認の点で、交通事故ですと、他の交通車両からの安全、事故車両からのオイル・ガソリン漏れなどの把握から入ります。
ガイドの講習ですと、当然のこと山の中を想定して行いますので、斜面からの落石・転落または雪崩などの二次災害からの安全確認になります。
そのあとの傷病者に対する行為は、変わりませが。
私としては、ガイド協会のテキストのチャート図が解りやすいとおもいます。
最後の病院への搬送というのも、町の中とは違い山の中では大変です。まず携帯電話が繋がるか、山小屋は近くにあるか、119番に繋がったとしても天候によりヘリが飛べるか、また飛べたとしてもホイストするのに適した場所が近くにあるかなどです。
話は変わりますが、埼玉県では今年度からヘリでの山岳救助は有料になり、¥50,000程かかるそうです。
今回の講習の講師・教官は、消防の救急救命士の方達でした。なるべくこの方達の世話にならないように、安全登山をしなければならないと思います。
山は楽しいがリスクは付き物です。怖いことですが、医療機関まで遠い山中で適切なファーストエイドが行われたかどうかで、傷病者のその後の生命、人生まで決まってしまうかもしれません。
勉強、勉強。
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