深い雪の上を歩くためには昔から「輪かんじき」が使われてきました。
ラッセルが深いとスノーシューの方が快適に歩けますが、スノーシューは持ち運びが重いのが欠点です。また急斜面のトラバースも苦手です。
その点「輪かん」は軽く持ち運びも便利で、急斜面においては「アイゼン輪かん」と言う必殺技もあります。現在ではアルミ製の物が一般的です。
左から、木製輪かん・アルミ製輪かん・スノーシュー。
今回の輪かん作りは芦安中学校の自然学習授業で、全校生徒による三年生の卒業記念の輪かん作成です。それを「芦安ファンクラブ」がお手伝いしたわけです。芦安ファンクラブは過去にも、芦安の特産である輪かん作りをしていました。こうして伝統文化が継承されていくというのは素晴らしいと思いました。
材料の木は学校林の「杉」の伐採・枝払いの作業(これも自然学習)で落した枝を使いました。
それを学校の池の中につけて、置きました。
まずドラム缶にお湯を沸かして、3時間位茹でます。
すると、簡単に皮がむけました。
またこの時点で、細かな枝・節の出っ張りなどは、鉈やナイフでおとしておきます。
そして枝が温かいうちにU字に曲げます。この時使った、特製工具?治具?がすごかった。輪かんの前半分・後ろ半分用では、、アールが違う為2台あります。
そして、戻らない様に針金でとめます。
一日目の作業は、ここまでです。
できたものを、日陰に置き乾かします。
これが設計図です。上が本体で、下が滑り止めの爪です。
設計図に合わせてノコギリで切り込みを入れ、のみで削り、ヤスリをかけます。
この作業が一番大変で、二日目はほぼこれで終わりました。
いよいよ組み立てです。前後の輪と、滑り止めの爪を組み合わせます。ホゾが上手くかみ合うまで、
細かく削り修正します。
ピッタリあったら、針金をまき固定します。
巻き終えた針金で、縄の中心を固定します。
爪の前後に縄を巻き、結んでとめます。
この縄は、前もって濡らしておきます。そうすると、巻きあがった後乾いてきつく締まります。
生徒・先生・芦安ファンクラブのスタッフの共同で、こんな素晴らしい輪かんが出来ました。(自画自賛かな)